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スペシャル対談「生徒会長ダブルス」

『国府台ダブルス』両作品でそれぞれ生徒会長を演じる2人が、お互いの作品について徹底的に語り合う!それぞれのキャラクターの相違点、そして「国府台サーガ」に共通する「どさまわり的存在」とは?

メンバー:

池内理紗(『いざ、生徒総会』生徒会長役)

熊谷有芳(『卒業式、実行』)生徒会長役)

聞き手・編集 淺越岳人

淺越:今回、filamentz×アガリスクエンターテイメント、このふたつがタッグを組んで『国府台ダブルス』という公演を打ちます。そこで、『いざ、生徒総会』『卒業式、実行』の二本立て両作品でそれぞれ「生徒会長」を演じる、、、
熊谷:お、誰だ誰だ?
池内:(笑い)
淺越:そのお二人にお話を伺おうかと。そういう対談です。じゃあ、まず簡単に自己紹介を。どっちから行きます?
熊谷:じゃ、私から。『卒業式、実行』で生徒会長役をやります、アガリスクエンターテイメントの熊谷有芳です。
池内:『いざ、生徒総会』で生徒会長をやります、昭和芸能舎の池内理紗と申します、よろしくお願いします。
熊谷:よろしくお願いします。

自分が出ることよりも、『マジか、アツい!』って

淺越:さっそくお話伺っていきたいんですが、最初この『国府台ダブルス』という企画、率直にどう思いました? この二本立てやるぞ、って聞いて。
熊谷:どうでした?
池内:もともと私はアガリスクさんのファンで、、、調べてみたら2015年の、、、(メモ見ながら)書いてきたんですよ。2015年の『黄金のコメディフェスティバル』観て、、、
熊谷:なにやったとき?
池内:『七人の語らい(註:『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』)』です。それを観に行ったのがきっかけで、初めてアガリスクさんを知ったんです。そこから結構観に行って。『時をかける稽古場』とか『そして怒濤の伏線回収』とかも。
淺越:あんまりお客さん入らなかったやつも(笑い)。
池内 あれメチャクチャ私は好きだったですけど。あと『ナイゲン』も、、、、渋谷のTSUTAYAに観劇三昧(註:演劇公演の動画配信や、グッズ販売を扱うサービス。)のレンタルのがあったころに、全部見たんですよDVD。
熊谷:全部見たんだ、すごーい!
池内:それくらい、単純に好きだったんで。だから、「マジか、アツい」が一番でした。
アガリスクファンとして、「(再演)やるじゃん!」みたいなのが一番大きくて。「自分が出る」、とかよりも、まずそれに感動したことが残ってますね、自分の中で。で、一緒に出演の(オファー)もいただいたので。早く全世界に言いたい!って思いましたね。うれしかった。
熊谷:(笑い)
淺越:1年間も、、、経ってないよね?初演。
池内:経ってないです。半年?
熊谷:6月だもんね、初演が。早いよね、ペースとしては。
池内:それもびっくりしたし。ありがたい、、、でもやっぱり「アツい」が一番(笑い)。
熊谷:だからわりと、客観的な視点で、「いい企画だな」って思ってたってことですよね。
池内:あと『卒業式、実行』を観れていないので、それもシンプルにうれしかったです。「観れる!」っていうのも。
淺越:熊谷は?
熊谷:わたしは、、、まあ半分内部の人間なので。「やります」って言われたのが劇団会議のときで。「こんな企画があるよ」って。
池内:どのくらいの時期だったんですか?
熊谷:夏かな?『いざ、生徒総会』終わってすぐだったんじゃないすか?「早!」って、思った。フィラメンツのプロデューサーの佐野木が、「やりたい」とは言ってたじゃない。打ち上げかなんかで。でも、「こんなに早いんだ」「すごい行動力だな」って思ったのと。あとそこで『卒業式、実行』を絡めるのは驚いた、じゃないですけど、、、これ言っていいかわからないラインの話をすると、本当は佐野木は『ナイゲン』と3本立てでやりたかったってのがプロデューサーの意向。
池内:なるほどー!
熊谷:ただ、この短期間で3種類の演目やんのは「なんじゃい!」って。ステージ数もそんなにやれませんよ、って。そういう色々な都合ですよね。で、この2本立てになったというのはありますけど、、、すごいぶっちゃけると最初に聞いたときには「なんでこの2つ?」てのは思った。あんまり関連はない気がして。「国府台高校が舞台だよ」っていうのがまああるけど。あと冨坂さんの書く「国府台シリーズ」って、、、言い方悪いけど、言いたいこと結構同じだったりするじゃないですか。
池内:まあ、、、そうですね。
淺越:同じです。
一同:(笑い)
熊谷:『いざ、生徒総会』とかは手法を変えてきてるけど。『卒業式、実行』も描き方を変えたけど、その前身の『紅白旗合戦』なんかはもう、あれは『ナイゲン』なんで。だからそのうえで、、、この2本の共通点て他にあるかしら、って思ったけどでも、、、なんすかね。お祭りとしてはいいのかな、って。こっち(『卒業式、実行』)はもうパレードみたいじゃないですか。「ウワー!」って。で、『いざ、生徒総会』は最後のほうはしんみりしますけど、5話構成だし若い役者さんもいっぱい出てて、ライトで見やすい。だから、抱き合わせとしては良かったりするのかなー、って。思ったりしましたけどね。
淺越:ぶっちゃけるねえ。
熊谷:そういう部分もなくはなかったよ、と。
淺越:あと、今回『国府台ダブルス』という2本立てなんですけど。お互いの作品、どのくらい意識します?
池内:、、、『いざ、生徒総会』のほうはアガリスクの劇団員の方が出ていない作品なので。
熊谷:そうね。
池内:プレッシャーはすごい大きいですね。同じ板の上に上がるっていうプレッシャーが。
熊谷:たしかに、初演と違って『いざ、生徒総会』もアガリスクの名前を背負っているのはありますね。
池内:ただまあ、別にはしたくないけど、同じにはなりたくない、、、というのはあるけど、そこは冨坂さんが『国府台ダブルス』って言ってるから「大丈夫なんだろうな」って思いますし(笑い)。
熊谷:(笑い)
池内:だからあんまり、、、意識はしないかも知れないです。プレッシャーはあるけど、「われわれはアガリスクではないけどなあ」みたいな気分ではないです。いっしょに盛り上げられるなら、こんなに嬉しいことはないし。同じ役を、こんな近い時期にもう一度やるのも、自分自身の発見にもつながると思いますし。
熊谷:結構右に同じですけど。自分たちの作品の方が面白い、面白くしたいって気持ちがお互いにあって。それで面白くなる部分があると思うんで。作品の構成?も全然違うし。学ぶところも大きいだろうし。それに、、、ここ2人は同じ役のようで、全然違うと思うし。
池内:そう思います。
熊谷:冨坂も、出発点は同じで、同じような役のつもりで書いてただろうけど。
池内:そうですそうです。
熊谷:稽古の後半で「あ、違う」みたいなことに気付いた、って冨坂さんも言ってたけど。で、わたしの役も「どさまわり」ではないし。、、、「どさまわり」ってワードはこのあともちょいちょい出てきますけど(笑い)。
淺越:固有名詞ですからね。
池内:形容詞でもありますね。
熊谷:だから意識、するはする。池内さんの描く生徒会長、及び『いざ、生徒総会』という作品が描く生徒会長像が、全然違うから。初演の時は自分の作品のことだけ考えればよかったけど、対比として「ここがいっしょ」とか「ここが同じ」とかは、役作りがやりやすくなる。ヒントとか材料になるな、とは思いますね。
池内:わたしもそう思います。

池内会長は「ファッション生徒会長」

淺越:いきなりヘビーな話に突入してしまったのでライトな質問行きましょうか(笑い)。お2人の役どころ、どんなキャラクターか聞いていきましょうか。
熊谷:ライトって言ってもいきなり難しい言葉を使うんですけど(笑い)。国府台の自主自律の精神に則って、それを大事にしたい、他人の気持ちを考えるよりも先に、国府台高校のあるべき姿を体現したいと考える原理主義者、そういう生徒会長の役なんですけど。
淺越:なにそれ(笑い)。文字にするとすごいな。
池内:(笑い)
熊谷:それは、ここ2人のどっちも、根深いところでは共通していると思うんですけど。わたしの演じる生徒会長はとても狂暴な人で。力でそれを実行しようとする人で、知性があまりない。
池内:行動力がすごい。
熊谷:決してバカじゃないんと思うんですけど。『卒業式、実行』という作品に関してはだいぶバカになってます。考えるより先に身体が動いちゃう、みたいな。それも彼女なりのポリシーがあって、やってることだったりはするんですけど。とにかく猪突猛進、狂暴。あとよくキレる。
淺越:野蛮人じゃん(笑い)。池内さんは?
池内:たぶん、「国府台かくあるべし」みたいな思想はあるんですけど。わたしのやってる生徒会長はもう一個ひねくれてると言うか。「国府台かくあるべし」を「やるべし」と思ってやってる。「生徒会長ってこういうものだから」というものが思想よりも先に来ている、というのがわたしの方の生徒会長なんですけど。
熊谷:うんうんうん。
池内:熊谷さんと一見おんなじなんですけど、実は動機は別のところにある、、、いきなり喋り過ぎですか?もっとライトな方が、、、
熊谷:いやいやいや(笑い)!
淺越:面白いんで。だから、原理主義かどうか、ってところが違うのかな。
池内:そうですね。思想は、、、ないんじゃないかと思います。
熊谷:それはね、すごい思います。『いざ、生徒総会』の生徒会長は、「ファッション原理主義者」だと思います。
池内:それですね!それだ!
熊谷:あの人は原理主義じゃないと思う。
池内:「ファッション原理主義者」、いい言葉(笑い)。
熊谷:でも、役作りの過程だったり池内さんのパーソナリティも相まって、「コイツはやっぱ優しいやつなんだな」みたいな感じはするかな。
池内:悪い子ではないんだけれども、、、
熊谷:それがゆえにね。
池内:動機が間違ってしまったかな。
熊谷:それが哀しい。
池内:熊谷生徒会長と比べると、自分がないタイプと言うか。あ、でも違うかな、、、
熊谷:いや、でも、でも!
池内:(笑い)
熊谷:自分がない、というより思想がないだけだよね?「自分」はメチャクチャあると思う。理想を叶えたい、っていう意味では、自分がすごいある人。ゆえにワガママになっちゃったり。
池内:うん、そう考えると、「自分」はあるかも知れない。メチャメチャある。いやー、「ファッション」という言葉が言い得て妙ですね。
淺越:熊谷生徒会長はファッションでは全然ない。
熊谷:だから『卒業式、実行』では異分子、冨坂さんには「バーサーカー」とか呼ばれてて。彼女は思想はあるんだけど、基本的に卒実委員長の榎並を困らせる役割で。
淺越:『卒業式、実行』は生徒会長がお話の中心でないからね。
熊谷:「敵」として書かれるから。トラブルを起こす側。

ナイゲンは30歳になってから

熊谷:「国府台シリーズ」には、、、『ナイゲン』の「どさまわり」、『紅白旗合戦』の「生徒会長」、『卒業式、実行』の「生徒会長」、『いざ、生徒総会』の「生徒会長」と、似たようなキャラクターがいるんですよ。
淺越:いわゆる「どさまわり的存在」。
熊谷:みんな基本的には原理主義者なんですけど。わたしは『いざ、生徒総会』以外は全部やってるので。だからそれぞれを比較できて。
池内:はいはい。
熊谷:『紅白旗合戦』を久々に見直したんですけど、あいつは、、、たしかにメチャクチャにキレてるんですけど。でも友達がいるんですよ。仲間がいて、仲間といっしょに先生に立ち向かっているんですね。
淺越:なるほどね。
熊谷:で、『卒業式、実行』は、、、後輩とかにファンとかはいると思うんですよ。PTAの前田さん(註:演・前田綾香さん)とか。そういう一部のファンみたいな人はいるけど、友達は少なそうだな、と思っていて。
池内:(笑い)
熊谷:実際にお話のなかに友達出てこないし。で、『ナイゲン』の「どさまわり」は、孤立するんですけど「花鳥風月」っていう女房役がいるんで。親友みたいなのが。で、池内生徒会長は、、、あの人絶対友達多いじゃん!だってダンス部入ってるんでしょ(笑い)?
淺越:それは知らんけど(笑い)。
熊谷:後輩からも「理紗先輩」とか慕われてるし。カリスマ的匂いを感じるのね。
池内:たしかに。
熊谷:だから「友達多いランキング」とかできるなー、と思って。
池内:友達多いランキング(笑い)。
熊谷:明らかに池内さんが一番友達多くて。次が『紅白』。で、『ナイゲン』と『卒実』だと微妙なとこだけど「花鳥風月」がいるぶんで『ナイゲン』のどさまわり。あと「年齢ランキング」もあって。
池内:??
熊谷:精神年齢。実年齢はほとんど変わんないじゃん。『紅白』の生徒会長はとにかく若い!すぐムキになって、青臭いんですよね。
池内:たしかに。
熊谷:あのとき、ちょっと、、、行き詰って、てわけじゃないけど、本番やって「どうやったら上手く行くんだろう」とか考えてたら、川添先生役の川添美和さんから、一言アドバイスもらって。「もっとこの子も少女だってことを意識してやったらいいんじゃない?」って。「そうか、16歳とかなんだ」とか、そういうこと大事にしようと思って。
池内:すごく情熱を感じたんですよね。『紅白』のDVD観たときに。『卒業式、実行』の生徒会長とはまた別の情熱というか。「青春感」みたいなのをすごく感じました。
熊谷:あと、『卒業式、実行』のバーサーカーはどう考えても大人じゃないので。こいつも周りが見えてない。そういった意味で若い。で、『ナイゲン』の「どさまわり」は、、、
池内:はい。
熊谷:アガリスク界隈ではよく言ってるんですけど、「ナイゲンは30歳になってから」と。
池内:へー!
熊谷:とくに「花鳥風月」と「どさまわり」は30からだよね。冨坂さんともよく話すんですけど、あいつらは高校生じゃない。
淺越:最後の2人で話すシーン、あそこは居酒屋だから。
池内:(笑い)
熊谷:そうそう。達しちゃってる。冨坂さん、「アガってるよね」、って表現をするけど。すごろくとかのアガリ。「あっち側行っちゃたよね」って人たち。
池内:ゴールに。
熊谷:とくに花鳥風月ね。あの人たちは、だから30越えてるんですよ。で、池内生徒会長が、、、どうですか?
池内:うーん!難しいところですねえ。
熊谷:わたしのランキングは、どさまわり→池内→卒実→紅白って印象なんですよ。
池内:難しいところですけど、池内生徒会長は、価値観が、、、「少女漫画的」って言うのかなあ、、、意外と子どもなんじゃないかなって。
熊谷:はいはい。
池内:ちいさい頃読んだ絵本の中の世界に、まだいる人なんじゃないか、って思っていて。「自分に対して問いかける」ということをしてこなかったんじゃないか。だから、実は精神年齢は高くないんじゃないかな、って思ってるんですけど。
熊谷:なるほどね。
池内:大人っぽくすることはできると思うんですよ。
熊谷:そういう感じはしますよね。取り繕ってる。
池内:そうですそうです。「大人ってこうでしょ?」とか「わたしってこうあるべきでしょ?」ってことを、アンテナで受け取って、体現する力はあるけど、「なにを体現すべきか?」って中身に関しては、もしかすると小中学生のころで止まっている。それが、第5話で変わる。「わたしってなんなのか」「自分はやりたいことってなんなんだろう」、そういうこと今まで考えずにあそこまで行って、ああなってしまったという面があると思うので。だから、、、わりと17歳なのかも知れませんね。精神年齢。
熊谷:年相応だ。なんか、大人との渡り合い方がすごく上手かったり、あとキレないじゃないですか。コッチすぐ暴力に訴えるので(笑い)。
池内:動物ですよね(笑い)。
熊谷:やり口が大人だな、って。
池内:頭は、大人と言うか。頭の回転自体は、結構大人なのかな、と思いますね。
淺越:政治的な行動ができたり、大人として動けるんだけど、核の部分というか、価値観が未成熟。若くして、大人の世界で行動しようとしている、そのアンビバレンツと言うか。だから、複雑などさまわりだよね。
熊谷:かなり複雑。
淺越:これ面白いなと思ったのは、原理主義度合いと友達いる度合いが反比例している。
池内:あー、原理主義であればあるほど。
熊谷:それはそういうもんじゃない? 『スラムダンク』の赤木部長もそうじゃん? 友達がドンドンいなくなった時期があったわけじゃない。強くなりたいと思ったら。
淺越:「お前とバスケやるの息苦しいよ」、って。
熊谷:どさまわりとか熊谷も一緒もやるのメチャメチャ息苦しいと思う。「ついていけないよ」って。
淺越:だから花鳥風月は小暮くんだ。
熊谷:(笑い)
池内:全然わからない(笑い)。
熊谷:えー!ごめんごめん!
池内:大丈夫です、この感じ好きなんで(笑い)。

どさまわりは、ゴジラなんですよ

淺越:あと、2人の共通項として、何度も話が出ている『ナイゲン』という作品があるんだけど。と言うか『国府台ダブルス』の出演者に『ナイゲン』経験者が多い。半分くらいそうなんじゃない?
熊谷:そうだったと思う。
淺越:どうですか? 『ナイゲン』との比較と言うか。熊谷は最初、演出助手を経て、満を持して「どさまわり」やったわけじゃない。
熊谷:うん。
淺越:『卒実』とかで「どさまわり的存在」をやったあとに、本家をやったわけで。
熊谷:逆輸入パターン。
池内:ほー! そっちが先なんですね。
熊谷:経緯を話すと、まず『ナイゲン(2013年版)』を観まして。オーディションを受けて『時をかける稽古場』に出まして。で、そのときのわたしの役が若干「どさまわってた」んですよ!
池内:えー!
淺越:どさまわってた。
熊谷:で、『紅白旗合戦』やって、そのあとに『ナイゲン(全国版)』があったんですよ。でも、それにはわたしは出る予定はなくて。でも、どうにかコレに食い込めないか、と思って。「演出助手とかどうすか?」って言って。演出助手やったことないんですけど。で3ヶ所のツアーにみんなといっしょに行きました。
淺越:あれは本当に助かった。
熊谷:で、劇団員になり。で、色々あって、浅草の『ナイゲン(註:ILLUMINUSプロデュースで浅草九劇で行われたバージョン。冨坂が演出、熊谷含むアガリスクメンバーも出演した)』になるのか。演出助手やったのも、「わたしも出してくれよ」と、本音を言うと思ってたわけですよ。「なぜわたしが出ないんだ!」と。答はシンプルで、『2013年版』のキャストが出るからなんですけど。
一同:(笑い)
熊谷:でも「出してくれよ!」とは思ったんで。ILLUMINUSプロデュースで『ナイゲン』やるときに、劇団員に「出たいですか?」みたいな話はあって。わたしは挙手したわけです。「どさまわりをやらせてくれ」と。自分から言う? そういうこと(笑い)。
池内:女性がどさまわりやったのって、あれが最初ですか?
熊谷:どうやらねえ、どこかの高校でやってたって説があるんですけど。世界初ではないかな。で、『卒業式、実行』。だから、、、どさまわりやれたの、本当良かったよね。やって初めて、わかったことはたくさんあった気がします。
淺越:それを経て今回の『卒業式、実行』再演って、なにか思うところある?
熊谷:ありますね。どさまわりは圧倒的に強い。どさまわりは、ゴジラなんですよ。
淺越:なにそれ(笑い)
池内:勝てないじゃないですか。
熊谷:ゴジラが口から「ぐわー!」ってビームみたいなの吐くときの絶望感。あれがやりたいんですよ。
淺越:よく冨坂言ってるのが、「どさまわりは巨大化してください」ってオーダー。池内さんも生徒会長のときたぶん言われたよね?
池内:言われました。
熊谷:だから、一回どさまわり経験してるので、『卒業式、実行』の熊谷は倍掛けで強いです。ゴジラ1回経由してるんで(笑い)。
池内:強すぎる(笑い)。
淺越:で、池内さんは『ナイゲン』の「ハワイ庵」をやってて。
熊谷:生徒会長からのハワイ庵?
池内:そうですね。自分の中でそれがすごい大きかったです。池内生徒会長もどさまわり的存在で。実際自分が『ナイゲン』に出るってなったとき、どさまわりを外から見る立場になるので。やっていくうちに、最後のどさまわりが語るシーンで、気持ちがわかっちゃう、ってのがすごく大きくて。
淺越:なるほどね。
池内:池田さん(註:feblaboプロデューサー。当時の『ナイゲン』の演出。)とか冨坂さんにも相談して。で、「わかってしまう」っていうことで作ってしまえ、と思って。そこから逆算して序盤でどさまわりと喋ってみたりして。改めて「どさまわりを、原理主義者を外から見るとこういう気持ちになるんだ」ってことを体感できたのは、今回の生徒会長に活かせるな、って。
熊谷:あー。
池内:『ナイゲン』の2時間を通じて、色々な収穫があったので。どさまわりは周りににこういうものを与えてて、周りはどさまわりにこうして欲しかったんだな、みたいなことがわかったんで。本当に出てよかったです。
熊谷:それは良いですね。
池内:面白かったです。すごい楽しかったし、シンプルにちゃんと『ナイゲン』に向き合えて良かったな、って思います。冨坂さんの作家性だったり思想について、わかってなかったこといっぱいあったなあ、って。
淺越:『ナイゲン』が、一番濃いよね。そういう思想とかが。
熊谷:うん、そうだね。濃いのが濃いまま描かれている。『卒実』とかは、生徒会長の思いとかは同じなんだけど、結局「事件」がメインだから。『ナイゲン』は本当に思想がメインになってるから。それを「うわー!」ってそのまま言ってる感じ。
池内:だから、そういうのを経て再演できるのがすごくうれしいです、『いざ、生徒総会』を。

よりこの作品に向き合うのが楽しみになった

淺越:お互いの作品観て、感想としてはどうでした? 自分の作品との違い、とか。
熊谷:『いざ、生徒総会』はオムニバス形式で、、、やっぱ、上手ですよね。
淺越:なにが?
池内:作り方、とか?
熊谷:そうそうそうそう。なんか、、、(ラストシーンのあれこれ)とか、(ラストシーンのセリフ)とか、生徒会長ムチャクチャいい役ですよね?
池内:ありがとうございます(笑い)。あたしも好きです。
熊谷:「ちょっとちょっと、お前さんが書いたのかい?冨坂さんよお?」って。
一同:(笑い)
熊谷:甘ずっぺえ、そう「甘ずっぺー!」って思いました。
池内:各話ちゃんと甘酸っぱいんですよね。エモからエモ、最後に総エモ、みたいな。
熊谷:観やすいしね。
淺越:短編だから15分に1回オトさなきゃいけない分、そういうシーンは多いよね。
池内:こっちがエモだとしたら、『卒実』はタイムリミットというか、ハラハラ感みたいなのはこっちにはないな、と思ってて。
熊谷:あー。
池内:観てて、「間に合うのかな」「どうなるのかな」みたいなのは、こっちとの違いかな、と。そういうところは全然別の作品として楽しめるかな、と。
熊谷:止まらないからね。
池内:そうですね。そういうところの違いが面白いなあ、って。
淺越:どうです、やってみたい役とかあります? お互いの作品で。
熊谷:生徒会長は、やってみたいと思いましたね。いい役だなあと思うので。
淺越:池内さんは? 『卒実』の方で。
池内:うーん、、、
淺越:どうです、バーサーカーは?
池内:バーサーカーやってみたいけどな、、、
熊谷:(笑い)
池内:あと『紅白旗合戦』を観て、『紅白』の生徒会長はすごい感情移入しちゃって。
熊谷:ほお。
池内:だからわたし、どさまわり大好きなんです。
淺越:だいぶ染まってるなあ(笑い)。
池内:なんか、平常心では観れないんですよ。
熊谷:そうねえ、わかる。
池内:もうなんだろ、入っちゃう、心が(笑い)。
淺越:それでは最後にまとめというか、それぞれの作品について見どころをお願いします。
熊谷:『卒業式、実行』はにぎやかな、楽しいお芝居だと思います。スピード感があるし 本当に、物理的に事件が起こるので。そういうのが、ショーを観ているのに近いのかな。「観劇」というより「目撃」、そういう感じで観てくれたらいいかな、と。扱っている題材は国旗と国歌とヘビーなんだけど、やっていることは異常にライトなんで。「こういう感じでこいつらコメディやるんだ」というところを観てもらえれば。それがアガリスクエンターテイメントなんで。それを楽しんでいただけたら、と思います。
池内:『いざ、生徒総会』は5話構成になっていまして、1話から4話まで、色々な登場人物が紹介され、各話ごとのエモが重なって5話になだれ込む、というすごく面白い構成になっていると思います。どちらの作品もキャストが入れ替わったりもしているので、。あと『卒業式、実行』は書き換えが、、、
熊谷:大幅な書き換えが(笑い)。
池内:すごく楽しみです。
淺越:どうでした、今日?話してみて。
熊谷:最初は、、、ありきたりなこと言いますけど、緊張してました(笑い)。もっと色々聞きたいことあった気がするけど。でも、いっぱい喋れたので良かったと思います。
池内:そうですね、よりこの作品に向き合うのが楽しみになったし、わたしとしては舞台上で観てた方なので。いっしょに対談できる日が来るとは、、、楽しかったです。
熊谷:いやいや。こちらこそ、良かったです。

〈了〉
 

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